奥ゆかしさのなかに、気品ある美しさが凛ときわだつ「加賀友禅」。
加賀友禅を装うことは、金沢の伝統文化を身に纏うことの醍醐味でもあります。
「加賀友禅」といわれるためにはいくつかの特徴があります。
色彩豊かでありながら上品な色使いで、草花などの自然の風物を写し取った絵柄や古典的なモチーフが描かれています。
「加賀五彩」と呼ばれる藍、臙脂、黄土、草、古代紫の5色を基調としています。藍色ひとつにも細やかな濃淡による多彩な配色が施されています。
下絵には青花(つゆ草の花の汁)を使い図案の線を写し書きし、下絵の線にそって糸目糊を細くひきます。縁取りした内側に「外ぼかし」「虫喰い」をはじめ繊細な技法によって彩色していきます。
ここでは「手描友禅」の
作業の様子を紹介します
作家が、草花など自然のものを描いたスケッチ画などをもとに、実物と同じ大きさの紙に図案を描きます。
図案のうえに染める前の白い生地を重ね、下から照明の光をあてて青花(つゆ草の花の汁)で図案の線を写し書きしていきます。青花は水ですすぐと色が消えてしまいます。
「糸目糊」とよばれるのりを、下絵の線にそって細くひいていきます。これは次の作業で染料がにじみ出たり、混ざるのを防ぐ役割を果たしています。
のりで縁取りした内側に、筆やハケを使い色をいれていきます。加賀友禅ならではの美しさを出すために、高い技術力と色使いの感覚が必要とされる作業です。
きもの全体の地色を染める前に、あらかじめ蒸しておきます。さらに色をいれた模様の部分に地色が入らないように、模様全体を糊で埋めていきます。
生地全体に、ムラがでないようハケで地色をひいていきます。ハケを使う時は、力の入れ方に注意しながら集中して作業をします。
染めた地色が乾いたあと、蒸気の箱の中に入れて熱を加え、色を定着させます。
流水で、糊や余分な染料を洗い流します。
長い一枚板の上に生地を貼り、模様を彫った型紙を使って染める方法で、細かな模様を染めることができます。金沢には「加賀小紋」といわれる模様があります。
虫にくわれたあとの葉の、ありのままの様子を表しているのが「虫喰い」で、「外ぼかし」とは外側から内側に向かって色をぼかして(薄くしていく)いく加賀友禅ならではの手法です。
加賀友禅の拠点として、職人の作品展示のほか、加賀友禅の歴史や技法などをわかりやすく理解してもらための施設です。染の体験やお買物もお楽しみいただけます。
ちょっとだけ友禅作家の気分になってハンカチづくりが楽しめます。
2022年2月にオープンした加賀友禅のためのギャラリーです。
石川県金沢市小将町8-8
TEL:076-224-5511
営/9:00~17:00
休/水曜日(祝日を除く)・年末年始
¥/小人210円 大人310円
加賀友禅の拠点として、職人の作品などの展示のほか、加賀友禅の歴史や技法などをわかり易く理解してもらい、実際に染め体験をしていただくことができる施設です。
加賀友禅作家の後継者育成事業、品質表示事業などに取り組んでいます。
(加賀友禅作家とは協同組合加賀友禅振興協会に加盟している友禅作家のことを指します。)